この項目では、バイオハザードシリーズ第一作について説明しています。
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『バイオハザード』(BIO HAZARD, 日本国外ではResident Evil)は1996年にカプコンより発売されたプレイステーション用ホラーアクションアドベンチャーゲーム。その後様々なプラットフォームに移植される。略称は『バイオ』『バイハザ』『バイハ』などである。「BIO HAZARD」は「生物災害」という意味があり、それを筋としストーリーが展開されている。日本国外のタイトルである 「Resident Evil」は「邪悪なる居住者」という意味である。
売上本数は119万本(初動本数:14万本)。発売前及び直後はそれほど注目されていなかったが、口コミにより徐々に売り上げを伸ばし、最終的にはミリオンセラーとなるという、ゲームソフトとしては珍しい売れ方をした作品である。当初は販売店もさほど注目していなかったため入荷数をかなり抑えていたらしく、売り切れ店が続出した。本作のヒットにより、カプコンからは『バイオハザードシリーズ』としてシリーズ化され、他社からもホラーゲームが多数発売されるきっかけとなった。また、当時のゲーム次世代機戦争においてプレイステーションの優位に大きく貢献した。
テンプレート:ネタバレ
ストーリー
時は1998年夏。場所はアメリカ中西部にある四方を山々に囲まれた小さな街ラクーンシティ。その郊外に位置するアークレイ山地では最近、孤立した民家が10人前後のグループに襲われ住民が食い殺されるという猟奇事件が多発していた。その異常性にも関わらず犯人の特定は難航、事態を重く見たラクーン市警は特殊作戦部隊S.T.A.R.S.(Special Tactics And Rescue Service)に出動を要請する。7月23日の夜、同部隊のブラヴォーチームが現地へ向かうが、その後通信が途絶え、チームは消息不明となってしまう。翌日の夜、残るアルファチームがブラヴォーチーム捜索のため現場へと向かったが、捜索を開始した途端、謎の怪犬の群れに襲われ、隊員の1人は死亡、ヘリで待機していた隊員は恐れをなして仲間を置いたままヘリで飛び去ってしまう。残された隊員たちは追われるままに古びた洋館に逃げ込むしかなかった。そして、悪夢のような戦いが始まる……。
プレイヤーは、このS.T.A.R.S.アルファチームのクリス(一部レベッカを操作)、もしくはジルを操作して、ゾンビをはじめとした様々な敵に対処しながら、アイテムを駆使して洋館から脱出することを目的とする。
システムの特徴・概要など
続編にあたる『バイオハザード2』以降は、様々な武器を使ってモンスター達を倒す事や、やりこみ要素をふんだんに盛り込むことにも重点を置いているが、『バイオハザード』では「純粋な恐怖感の追求」が主眼となっている。
別の部屋などへ移動する際、システムの都合からロード時間(移動先エリアデータの読み込み時間)が発生するが、それを「扉を開ける」という演出でカバーすることで、緊張感の持続に成功している。
作品発表当時のCG技術では十分な恐怖を演出できなかったため、オープニングやエンディングなどに外国人俳優の出演する実写ムービーを使用している。後のシリーズではCGムービーを使うようになったため、結果的にこれは本作のみの要素となった。
本作では、「プレイヤーが最初にどの部屋に行ったのか」などの選択肢や行動でストーリーが分岐する。分岐によって、後述するジルのようにバリーによる救済措置が入ることもある(つまり難易度が左右されることもある)。また脱出できたメンバーによってエンディングも分岐する。
ジルはクリスに比べ、難易度が低めのゲームバランスとされている。ただしジルは体力が極端に低く、ゾンビに3回攻撃された程度でも死ぬ場合があり、戦闘に慣れないうちは難しいと感じるプレイヤーもいる。また、登場する人物やストーリーにも違いがある。なお、主人公として選択しなかったキャラクターは序盤に行方不明となる(ラストに救出できる)。
- クリス編の特徴
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- 初期装備はコンバットナイフと救急スプレーのみ。後からベレッタ入手(GC版ではクリス・ジル共に緊急スプレーは無し)。
- 銃を構えるのが早い、体力が高い。ナイフの攻撃力が高い。
- アイテムは6つまでしか持てない。
- 簡単な鍵は小さな鍵でしか開けられない。
- グレネードガンが登場せず、ショットガンが基本装備になりがち。ショットガン自体は優秀な武器なのだが、ジルとは違い容易には手に入らない。また、ショットガンもボスキャラには効果が低い為、グレネードガンで弱点を突けるジルに比べ自ずと攻撃回数が増えてしまう。
- また、クリス編のみ火炎放射器が登場する(但し特定エリア内でしか使用できない)。
- 相方は新人隊員のレベッカ・チェンバース。指示の出し方によっては、クリスの体力回復に役立つ。
- GC版ではライターが専用アイテムになる。
- ジル編の特徴
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- 初期装備はコンバットナイフ、ベレッタ、救急スプレー。
- 銃を構えるのが遅い、体力が低い、ナイフの攻撃力がクリスに比べ低い。
- アイテムを8つまで持つことが出来る。
- 手先が器用で、簡単な鍵を解錠できるキーピックを使用できる為、鍵の所有でアイテムブロックを消費するクリスより多くのアイテムを運用できる。
- グレネードガンが入手でき、これによる敵の弱点を突いた攻撃ができるため、ボス戦は比較的簡単(例:生物には硫酸・植物には火炎)。GC版では焼夷弾を使用すると、敵にダメージを与えることができると共にクリムゾンヘッド化を防ぐ「ゾンビの焼却」ができる。
- クリスの場合と比べて、敵モンスターの配置数が少ない。
- 相方はベテラン隊員のバリー・バートン。窮地に陥っても分岐しだいではバリーによる救済措置がある。ショットガンを入手しやすく、中盤までの弾薬に余裕が出る。
- GC版では緊急回避アイテムとして、スタンガンを使用することができる。
S.T.A.R.S.(Special Tactics And Rescue Service)
テンプレート:Seealso
ラクーン市警察所属特殊作戦部隊の名称。各分野で活躍する優秀な人材のみで構成されたエリート集団。略称はスターズ。特殊作戦(治安維持、人質救出等)を主な任務としている。当初は5マンセル×2班の10名構成を想定されていたが、現在は12名2班で構成されている。また、隊員にはそれぞれ役割を分担する配置が決められており、任務時にはPM及びBUM(下記参照)が前線に立つことが多いが、他の隊員たちも高い戦闘能力を有している。『2』及び『3』のラクーン市警察のオフィスには隊員の集合写真が飾ってあり、レベッカを除く全員の姿を見ることが出来る。
- LDR(リーダー)
- 指揮官の位置にあり戦術的な作戦決定を行うチームの核。
- PM(ポイントマン)
- チーム内では最も危険なポジション。最前線での戦闘を任務とするため、最も優秀な隊員が就く。
- BUM(バックアップマン)
- 前衛の援護役。そのためPMとコンビで行動することが多い。
- OM(オムニマン)
- 機器の操作や重火器の整備・運搬などが主な任務。後方での戦略的な行動が必要とされる。
- RS(リア・セキュリティ)
- ヘリの操縦や警護、後方警戒が主な任務。時には狙撃手にもなる。
登場人物
S.T.A.R.S. ALPHA TEAM
- クリス・レッドフィールド(Chris Redfield)
- 年齢:25 血液型:O 身長:181cm 体重:80.4Kg 出身:ニューヨーク 趣味:主にロックを聞く事 配置:PM
- 主人公。元空軍所属の熱血漢。戦闘機・ヘリの操縦に長けている。射撃技能など戦闘能力の高さはチーム内随一。身体能力も高く、精神的にも強靭なタフガイ。楽譜が読めない、薬を扱えないなど設定はいかにも体育会系。煙草は吸う。オープニングでの逃走中にハンドガンを紛失するという迂闊な所や、そのままナイフだけで単独捜索を開始するという無鉄砲な所もある。タイラントを「究極の出来損ない」と呼ぶ。『バイオハザード2』のクレア・レッドフィールドの兄。ジル編ではオープニング後行方不明に。後に研究所に監禁された状態で再会する。
- ジル・バレンタイン(Jill Valentine)
- 年齢:23 血液型:B 身長:166cm 体重:50.4Kg 趣味:ピアノ演奏・乗馬 配置:RS
- 主人公。爆発物処理の専門家。ある程度の化学知識もあり薬品の調合などもこなす。手先が器用なため開錠術やトラップ処理などを得意とする。米陸軍特殊部隊デルタフォース訓練過程を修了している。クリス編ではウェスカーと共に行方不明になり、後に研究所に監禁された状態で再会する。ピアノは上手で、「月光」程度なら難なく弾いてしまう。正義感が強い。なお、隊員12名中唯一、防弾ベストを装備せず肩パッドのみを装着。
- アルバート・ウェスカー(Albert Wesker)
- 年齢:38 血液型:O 身長:183cm 体重:84.5Kg 趣味:フットボール・戦史研究 配置:LDR
- S.T.A.R.S.隊長。生物工学のスペシャリストで元陸軍の技術将校。アンブレラ社からの派遣により就任した。高い戦闘能力と豊富な知識、鋭い洞察力を持つ。S.T.A.R.S.のメンバーは互いに名前で呼び合っているが、彼だけが姓名で呼ばれている。事件を裏で糸引く存在。洋館でのウィルス漏洩が起きた頃に洋館の研究所に一度だけ足を運んだ。『バイオハザード2』の登場人物ウィリアム・バーキンとはアンブレラ社の研究者時代の同期であり、一連の事件で共謀している。セガサターン版の『バトルゲーム』ではゾンビとなって登場する。
- バリー・バートン(Barry Burton)
- 年齢:38 血液型:A 身長:186cm 体重:89.3Kg 趣味:銃の収集・釣り 配置:BUM
- ジル編パートナー。元SWAT。火器関係の知識が豊富で、隊内での火器の整備・補充を担当、その扱いにも優れている。本作では私物として44マグナムと火炎放射器を所持し、ロケットランチャーをヘリに積み込む。これが後に最良の結果となる。武器はハイパワーのものを好んでいるようで、制式装備のサムライエッジも他のメンバーより大きい口径のものを使用。モイラとポリーという二人の娘がおり、家族を大切にしている。クリス編ではオープニング以後登場せず、そのまま行方不明となっている。
- ジョセフ・フロスト(Joseph Frost)
- 年齢:27 血液型:B 身長:179cm 体重:72.3Kg 趣味:手品 配置:OM
- 整備技師。危険物取り扱いなどの資格を持ち、車軸整備を担当。血の気が多く暴走気味な性格で、緊急時の行動には不安がある。オープニングでオリジナル版ではエドワードの手首を、リメイク版では後述のケビン・ドゥーリーの死体を発見、続けざまケルベロスに襲われる。取り乱しながら携行していたショットガンを乱射するも喉笛を噛み千切られ死亡。ストーリー展開にもよるが、正史ではアルファチーム唯一の犠牲者。
- ブラッド・ヴィッカーズ(Brad Vickers)
- 年齢:35 血液型:O 身長:174cm 体重:60.8Kg 趣味:スポーツ観戦 配置:RS
- 科学防護要員。通信機器関係の扱いに長けておりヘリ操縦免許も取得している。小心者で、プレッシャーに弱く長い物に巻かれるタイプ。今回の作戦ではヘリの操縦を担当、冒頭では、ヘリに残っていたため難を逃れた。その後も数回、洋館の上空で連絡を待ち続けた。『バイオハザード2』ではゾンビとして登場するが、その経緯は続編である『バイオハザード3』にて明らかとなる。
S.T.A.R.S. BRAVO TEAM
- エンリコ・マリーニ(Enrico Marini)
- 年齢:41 血液型:O 身長:190cm 体重:83.0Kg 趣味:ゴルフ 配置:LDR
- S.T.A.R.S.副隊長兼ブラヴォーチーム隊長。サバイバル経験豊富なベテラン。チームメンバーからの信頼も厚い。実績などを考慮すれば本来は隊長の位置に就くべき人物であったが、出資企業の介入によりウェスカーの下に甘んずる事となった。バリーの良き相談相手。趣味はゴルフ。本作では唯一クリーチャーとは別の存在に殺害される人物。
- ケネス・J・サリバン(Kenneth J.Sullivan)
- 年齢:45 血液型:O 身長:188cm 体重:96.8Kg 趣味:造園・犬の調教 配置:PM
- 化学兵器に対する対策・防護専門。偵察、陣地確保といった危険を伴う任務につく。無口でチーム最年長、チームでは唯一の黒人系男性。ブラヴォーチームで最初に見つかる犠牲者で、初めて主人公が遭遇するゾンビの餌食となっていた。PS版では首を完全に食い尽くされ(ジル編では展開によって、さらに下半身部分も食い尽くされる)、半壊した彼の頭が転がるが、GC版では首を食い破られているのみ。またGC版で彼のフィルムからゾンビの餌食になる直前の映像を見ることができる。ケネスを喰らっていたゾンビがヌッと振り返るシーンは、本作の象徴的なシーンの一つ。
- リチャード・エイケン(Richard Aiken)
- 年齢:23 血液型:AB 身長:172cm 体重:62.5Kg 趣味:映画鑑賞 配置:BUM
- 通信担当。陽気な好青年。人情の機微を読むことに長けており、年齢も近い事からレベッカの指導役として行動した。ヨーンに襲われるが、ルートによっては生存している状態で出会う事ができ、主人公にヨーンの存在を伝えた後、通信機を託す。PS版ではヨーンの噛み傷と毒により死亡する。GC版ではプレイ次第で助けることができるが、どちらも主人公をかばってネプチューンかヨーンの餌食になって結局死亡してしまう。オリジナル版では立派な体格の持ち主であったが、GC版では比較的細めの体格となった。髪も金髪になっている。また、アンブレラクロニクルズではレベッカと共にブラヴォーチームの捜索にあたる。図書室でヨーンと戦闘となり、レベッカをかばい重傷を負うという男らしい一面を見せた。
- フォレスト・スパイヤー(Forest Speyer)
- 年齢:29 血液型:A 身長:183cm 体重:71.1Kg 趣味:ドライブ 配置:OM
- 電脳犯罪・整備担当。プロ意識が強く、チーム内での信頼も厚い。射撃能力も高く、クリスと1、2を争う程。クリスやジルとは入隊以前からの仲である。本作のグレネードランチャーは彼が携行していた物。クリーチャーとの戦いにより傷ついた体で洋館のテラスまで辿り着くも、クロウに襲われて死亡。GC版では最初は死体だが、エリアの奥に進むとゾンビ化し、襲い掛かってくる。このときの移動速度は、クリムゾン・ヘッドと同様非常に速い。なおディレクターズカットのアレンジ版でもゾンビ化して襲い掛かってくる(能力は通常のゾンビと同様)。また、手榴弾を体にまとって出てくる時もある。(これを撃ったら大爆発を起こし、ゲームオーバーになる)。
- エドワード・デューイ(Edward Dewey)
- 年齢:26 血液型:A 身長:193cm 体重:112.1Kg 趣味:ダンス 配置:RS
- チーム一の巨漢。ヘリ操縦担当。ライフル狙撃を得意とする。趣味はダンス。『バイオハザード0』で明かされた通り、ラクーン・フォレストを行動中にゾンビ犬の群れに襲撃され、息も絶え絶えに逃げ込んだ黄道特急でレベッカと出会い、力尽きる。そのため、ブラヴォーチームでは唯一洋館にまで辿り着けなかった。なお、説明書にはイラストや説明が一切載せられておらず、プロフィールは攻略本が初出である(その際もイラストは載せられていなかった)。また、セガサターン版特典の小説の巻末の開発秘話内に没キャラクターが掲載されており、その内の1人が「DEWEY」という名前の黒人キャラクターで、クリス編、ジル編双方をクリアした際のおまけキャラクターとして登場する予定だったことが明かされている。
- レベッカ・チェンバース(Rebecca Chambers)
- 年齢:18 血液型:AB 身長:161cm 体重:42.1Kg 趣味:読書・旅行 配置:RS
- クリス編パートナー。衛生担当。化学知識に優れ、18歳にして大学も卒業済み。マイペースな性格。赤いバンダナを愛用している。経験不足ではあるが、毒に冒されたクリスを助けるために血清を取りに行ったり、怪植物を退治するための薬品を調合したり、起爆装置を作動させたりとかなり有能なパートナー。楽譜は読めるようだが、ピアノはあまり上手ではない。因みに『バイオハザード2』では彼女の写真がファイルとして手に入る(タイトルは「期待のニューフェイス」。ある場所を徹底的に調べると見つかる)。なお「洋館事件」直前に配属され、今回の任務が初出動だった為、クリスとの面識はなかった。ジル編では登場しないが、続編の『バイオハザード2』ではクリス編では登場しないバリーと共に、5人で生還を果たしたという設定になっている。『バイオハザード0』を考慮して再設定されたリメイク版では、前日に別件の事件を潜り抜けていた事から幾分落ち着いた性格となり、バンダナもチェッカーに替えられている。
- なお、「洋館事件」から生還したメンバーの中では唯一、その後の消息が明らかになっていない。
その他
- ケビン・ドゥーリー(Kevin Dooley)
- 年齢:不明
- GC版に登場。R.P.D.所属。ブラヴォーチームのパイロットで、今回の事件で唯一のS.T.A.R.S.以外の犠牲者。ヘリで待機中に怪物(恐らくケルベロス)に襲われ死亡。(これが後にジョセフ・フロストが序盤にてパニックを起こした原因となる)『バイオハザード0』のオープニングにも登場する。
登場クリーチャー
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- ゾンビ(Zombie)
- 正確には「活性死者」と呼ばれる、T-ウイルスに感染した人間の初期段階。ウイルスによる遺伝子変質で新陳代謝が活発化しており、強靭な力や、銃で撃たれても死なない体力を持つに至るが、同時に細胞の壊死サイクルも早くなるため、外見は所々が腐り落ちた死体のようになっている。施設の職員である「緑色の服を着ているもの」、研究員である「白い色の服を着ているもの」、感染が早かったため、筋肉組織がむき出しの「ゾンビ改」の3種類が存在する。ウイルスにより前頭葉が破壊されるため、思考力はほとんどなく、代謝の増大に伴う激しいエネルギー消費から常に強い飢餓感を抱え、「食欲」を満たすための食物を求めるだけの存在である(十分な栄養を確保でき、体細胞が壊死し尽くされなかった個体は肉体の変質が続き、最終的にリッカーとなる)。感染前の習慣、記憶は多少残っているものの思考能力を失っているため、行動は自分に関わりのある場所を徘徊したり、ドアの開閉を行うことのみに留まる。攻撃方法は掴みかかっての噛み付きや口から吐く消化液(消化液は強力な酸性の液体なので食物を摂取してもすぐに消化してしまう。GC版では階段では消化液しか使わないため、ナイフで簡単に倒すことができ、弾丸の節約が可能。彼らが常に空腹でいるのはこのためでもある)。這いずっているものには下段攻撃しか効かない。『ディレクターズカット』とDSでは足の速い「ハイパーゾンビ」やゾンビ化したフォレストが襲ってきたりもする。またGC版では手榴弾を体に巻いたゾンビ(素体はフォレスト。攻撃すると爆発してゲームオーバー)も登場する。
- クロウ(Crow)
- T-ウイルスに感染した生物の肉を食べる事で二次感染を起こしたカラス。外見はほとんど変わっていないが、人間に積極的に襲い掛かったり、窓ガラスを突き破って進入してくるなど凶暴性が大きく増している。一部にはこちらから刺激しないかぎり襲ってこないものもいるが、銃声などには敏感に反応し、攻撃してくる。
- ケルベロス(Cerberus)
- ドーベルマンをベースに作られたB.O.W.(Bio Organic Weapon“有機生命体兵器”の略)。コードはMA-39。後の作品で登場する「ゾンビ犬」は、T-ウイルスの蔓延によって生まれた偶然の産物であり、意図的に開発されたケルベロスとは異なる。施設内でのバイオハザードに伴い飼育場から脱走、付近の森で野生化していた。動物の実験体としては成功した部類で、ゾンビとは対照的に犬本来の俊敏な動きや習性を失っておらず、他の個体と連携して獲物に襲い掛かる。感染前とさほどサイズが変わらず体重が軽いため、拳銃による攻撃でも1発で転倒してしまう。徘徊しているタイプは、出会っても歩いて移動すれば暫くは襲ってこない場合もある。操作に慣れたプレーヤーであれば、「転倒させ、飛び掛られる前に間髪入れずナイフ攻撃を行い、弾薬を節約する」という攻略も可能である。
- GC版ではかなり強化されており、ハンドガンでは飛び掛る瞬間を狙わないと転倒させられない。また、ショットガンでも引き付けてから攻撃しないと転倒せず、攻撃直後のスキに反撃を受けてしまう。また初期では洋館の正面玄関を開けると外のケルベロスが入ろうとするムービーが表示されるが、GC版では確実に1匹に入り込まれてしまう。またGC版ではキーアイテム「犬笛」を使って、特殊な個体と対峙する必要がある。
- モンスタープラント(Monster Plants)
- 温室にある観葉植物が、ウィルスに汚染された水を吸収して変異したもの。外敵に対して蔓で攻撃してくる。こちらからの攻撃は一切受け付けないが除草剤で枯らすことができる。
- ヨーン(Yawn)
- 10mほどの巨体に猛毒を合わせ持つ大蛇。胴部の直径が全長に対しアンバランスなほどに太く、体表には鱗ではなく蛙のような皮膚をもつ。元は実験体であったが、逃げ出した後にウイルスの影響から人間を丸呑みできるほどに巨大化しており、洋館内の通気管などを移動している。毒は強力で噛まれれば人間でも数分で死に至り、その効果は血清でしか消すことができない(二度目の戦いでは毒は持っていないが、巻きつく即死技を持つ)。硫酸弾が有効で、弱点は頭。中ボスとして登場、一度目は撃退されるに止まり、後にもう一度襲ってくる。なお、名前の「ヨーン」とは「あくび」という意味で、獲物を丸呑みにしようと大口を開いた姿がそれに見えることから研究者によって名付けられた。上記のように厄介な毒を持つことから作中ではなかなかの難敵だが、名前の「ヨーン」について「強いけど名前が笑える」などとネタにされることも多い。DS版ミニゲームボスでもある。
- アダー(Adder)
- 森林地帯に住むクサリヘビが二次感染し凶暴化した物で、毒性が強くなっている。ゲーム中では無限に出現。GC版ではより悪性の毒をもつ赤色の変異種も存在し、これに咬まれた者は確実に毒に侵される。CDドラマではマコバヴィレッジの儀式準備をしていた男達がその血を飲んだが為にゾンビになってしまった
- ウェブスピナー(Webspinner)
- 蜘蛛をベースにした初期のB.O.W.だが、知能が著しく低いため兵器としての実用性は乏しい。天井などに張り付き、毒液を吐く。炎による攻撃が有効。それ以外の武器やナイフやハンドガンなどの威力の低い武器以外で倒すと腹部が弾け、ベビースパイダーが現れる。
- ベビースパイダー(Baby Spider)
- ウェブスピナー、ブラックタイガーを倒すと大量に出現する子蜘蛛。子蜘蛛といっても体長は20センチ程度に及ぶ。噛み付いて獲物に襲い掛かるが、毒性はない。
- ブラックタイガー(Black Tiger)
- 逃げ出したウェブスピナーのうちの一体が更に巨大化した個体。黒く染まった体毛から研究者にその名で呼ばれ恐れられていた。中庭の地下を巣としており、一室に蜘蛛の巣を張り巡らせ侵入者を襲っている。
- ワスプ(Wasp)
- プラント42の花粉からT-ウイルスの二次感染を起こしたミツバチ。ウイルスの影響から巨大化、凶暴化し、毒性も高まっている。寄宿舎に異様に大きな巣を作っておりそこから無限に出てくる(GC版では、あるアイテムを使う事によって全滅させる事ができる)。倒し続けると通常より大きな物が登場するが強さは同じ。
- ネプチューン(Neptune)
- ホオジロザメのB.O.W.。元々凶暴性のある動物だったためか、T-ウイルスによる変化は比較的小さい。コードはFI-3。寄宿舎地下の大水槽エリアに登場。水中では無敵だが水がなければナイフ攻撃1回で倒せるほど脆弱化する。大型が1匹、小型が2匹存在する。自分より大きな相手には攻撃しないという習性を持つため、小型のものは攻撃してこない。GC版では寄宿舎地下が広大になっており、その分さらに巨大なクリーチャーになっている。また大型はある方法を使わなければ倒せない様になっている。
- プラント42(Plant42)
- 寄宿舎の職員が好奇心からT-ウイルスを注射したところ巨大化し、人を襲うようになった植物(襲うといっても、攻撃に対する“反応行動”である)。実弾兵器での攻撃を二分の一の確率で無効化する。火炎が有効。対抗する手段としてアンブレラの研究員が「V-JOLT」という薬品を生み出しており、これを根に使用することでかなり弱体化する。ジル編ではシナリオ進行によっては一定のダメージを与えた後にバリーが火炎放射器で倒してくれる。
- GC版では部屋の広大化に伴い自身も巨大化しており、花粉による攻撃などが加えられている。
- ハンター(Hunter)
- 人間をベースに、T-ウイルスを使って爬虫類などの遺伝子を組み込み強化したB.O.W.。コードはMA-121。類人猿レベルではあるが知能を有しており、調教次第で十数種類のコマンドを理解し、他の個体との連携も可能。硬質な外皮を持ち、大型肉食獣と同等の筋力と反射速度を誇る。兵器としては完成の域に達しており、その後のシリーズにもこのクリーチャーの亜種が登場する(本作のリメイク版にはティックスという亜種も存在している)。高い耐久力と素早い動作に加え「首狩り」という即死攻撃までも持つ。後半の洋館内ではゾンビに代わって大量に登場することから、多くのプレイヤーを苦しめ、恐れられた。硫酸弾が有効。
- キメラ(Chimera)
- 人間の卵子にハエの遺伝子を組み込んだB.O.W.。受精卵の段階で遺伝子操作をし、人間の女性に出産させるという、狂気的な方法で製造された。急速に成長を遂げ、羽化することで成体になる。天井を移動することができ、上から大きな爪で引き裂いてくる。倒すと周囲にウジがばら撒かれるが、触れてもダメージは受けず、こちらから攻撃することも出来ない。後にクローン量産が行われたが、それらの個体は天井を移動することが出来ない。戦闘能力は高くハンターと同等かそれ以上であるが、知能は昆虫並みのためB.O.W.としては失敗作である。
- GC版では、より昆虫じみた姿や行動で気持ち悪さが大幅に上がったものの、危険度は格段に下がっており、ただ横を走り抜けるだけで簡単に回避できる。
- タイラント(Tyrant)
- 洋館で行われていた実験の最終段階である、究極のB.O.W.。タイラントとは「暴君」の意。T-ウイルスに抗体を持つ成人男性をベースに肉体強化手術を施して完成した。コードはT-002。ゆっくりとプレイヤーに近づき、左手の爪で攻撃してくる。ちなみに(シナリオ展開によるが)、ジル編ではバリーが突き飛ばされるだけだが、クリス編ではウェスカーが刺し貫かれる。攻撃力は高いが機動性に欠けるため、距離を十分にとれば倒すのにさほど苦労はしない。研究所の起爆装置が作動するシナリオでは、肉体のダメージによりリミッターが外れ、回復能力、敏捷性、凶暴性などが向上した「スーパータイラント」へと変化、再び戦うことになる。鈍重に歩み寄るタイラントとは違い、突進して爪を振り回す迫力のあるクリーチャーであり、ロケットランチャー以外の武器では倒すことができない。更にリメイク版では一度だけロケットランチャーの弾を跳ね返すという荒技を見せた。
登場武器
- コンバットナイフ
- モデルはM9。近接戦専用の武器で、クリスはゲーム開始時はこれしか武器を所持していない。銃器に比べて威力は低いが使用回数に制限がないため、弾薬を節約したい時などに使う。攻撃するために敵に接近する必要があるため、戦闘には常にかなりの危険が伴う。通常相手にできるのは動きの遅いゾンビか、銃撃で倒れたケルベロスぐらいであるが、猛者はこのナイフによる戦闘を極め、銃器を一切使わずナイフ一本のみでゲームをクリアする。これが後のシリーズにまで受け継がれる「ナイフクリア」である。ただし、ラスボスであるスーパータイラントはナイフによるとどめが刺せないため、それのみ例外とするか、最後にスーパータイラントと戦わずに済む分岐を選択する必要がある。なお、PS版のみ、攻撃動作中にメニュー画面を出すと、復帰後に攻撃動作が強制終了しているという「スタートキャンセル」と呼ばれる技があり、これを使うことで攻撃時の隙を最小限に抑えることができる。この「スタートキャンセル」により、他のシリーズに比べ、「ナイフクリア」の難易度は比較的低い。
- ベレッタ
- ハンドガン「ベレッタM92FS」。9mmパラベラム弾を使用する。ジルの初期装備で、クリスがゲーム開始後に拾うことができるのもジルが所持していた物である。弾薬が最も多く手に入る武器だが、威力は銃器の中では最低。撃っても敵が大して怯まないため、移動速度の速い敵や集団相手には向かない。攻撃時の隙が少ないため、逃げ回りながら攻撃がしやすく、クロウなどの小型の敵には対抗しやすい。
- 後に武器・装備のモデルに協力した東京マルイのタイアップにより、S.T.A.R.S.専用という設定のジョウ・ケンドカスタムモデル「サムライエッジ」が作られ、GCリメイクには「クリス・レッドフィールドモデル」「ジル・バレンタインモデル」「バリー・バートンモデル」が登場する。また、作中には登場しないもののレベッカ・チェンバースモデル、アルバート・ウェスカーモデルなどの設定も存在する(なお、アルバート・ウェスカーモデルは『5』にて初登場する)。
- ショットガン
- レミントンM870。散弾を発射する武器。洋館に飾られており、クリス編では(ジル編でも進め方によっては)取得するために仕掛けを解かなくてはならない。近距離で大きな威力を発揮する銃で、広範囲に弾をばら撒くため複数の敵を同時に攻撃できるが、距離による威力の減衰が大きい。至近距離で撃てばほとんどのゾンビを一撃で倒せる他、ハンターなどもダウンさせることができるので終盤まで使える頼もしい武器。ただし敵を引き付ける必要がある上に発射後の隙が大きいため、敵の攻撃には注意を払わなければならない。
- コルトパイソン
- 高威力のマグナム銃。.357マグナム弾使用のリボルバーであり、ゾンビはおろかハンターさえも一撃で葬り去る。拾える弾の数が少ないので、主にボス戦などで使用される。バリーが私物として携行している銃もマグナムである。なお、PS版では実質的な威力はグレネードガンよりも低く、クリスではこの武器を使っても攻略に苦戦を強いられやすい。当初は44マグナム弾を使用する銃、コルト・アナコンダという設定だったが、同製品の知名度が低かったため、パイソンということにされた(両銃は銃身上のベンチレーション・リブという共通の外観的特徴がある。パイソンの特徴の一つをアナコンダに導入したものだが、アナコンダの中身はパイソンの廉価モデルである コルト・キングコブラをスケールアップしたもの)。
- グレネードガン
- 榴弾を発射する武器で、ジル編でのみ手に入る。フォレストが携行していた物で、フォレストの遺体と共にテラスに落ちている。S.T.A.R.S.が保有している物。3種類の弾を使用できいずれも高威力であるが、弾速が遅くハンターなどには回避されることがある上、弾道が放物線を描くので射程距離にクセがあり扱いづらい。
- グレネード弾(炸裂弾)
- 中に炸薬を詰めた榴弾を発射し、着弾と同時に爆発させて攻撃する。どんな敵にも安定したダメージを与え、キメラを一撃で倒せる。
- 硫酸弾
- 硫酸の入った弾を発射し、敵に硫酸を浴びせる。皮膚の露出しているヨーンやハンターなどに効果的。
- 火炎弾(焼夷弾)
- 可燃性の液体を封入した弾を発射し、敵を燃やす。植物であるプラント42や、ウェブスピナー、ブラックタイガーに効果的。
- 火炎放射器
- クリス編でのみ手に入る武器。ただし仕掛け扉を開ける鍵となるため、中庭地下でしか使えない。弾薬ではなく燃料を消費し、連続的に炎を噴射するが、威力はさほど高くない上射程距離が短いため、敵の攻撃を受ける危険を伴う。
- ロケットランチャー
- バリーが秘密裏にヘリに積み込んだ兵器で、形状としては「M202A1」に近い。スーパータイラント戦でブラッドが支援のために投げ落としてくれる物で、これを使わないとスーパータイラントにとどめが刺せない。また、3時間以内に本編をクリアすることで、次の周回から弾数が無限のロケットランチャーを使用することができるようになる。その威力は正に最強で、当たりさえすれば全ての敵を一撃の下に沈めることができるが、上下に向けることができないため、這いずっているゾンビなどの姿勢が低い一部の敵には当たらない(わざと壁に当てて爆風で倒すという手もないことはない)。また弾速が遅く、攻撃時の隙も大きい。
主なステージ
- 洋館
- 物語の最初に訪れる施設で、様々な謎を解いて散策範囲を拡大していく。剣、鎧、盾、兜の鍵により、各自に対応したドアが開錠するが、兜の鍵のみ寄宿舎にあるため、寄宿舎を攻略してから再び戻ることになる。なお、寄宿舎より戻ると、ハンターが各所に配置される。
- 中庭
- 洋館、寄宿舎、洞窟を繋ぐ通路。リメイク版ではリサ・トレヴァーの家へ通じる道も存在する。
- 寄宿舎
- 研究員たちの宿。どこかで地下の水中プラントにつながる通路があるほか、プラント42が自生している部屋もある。
- 地下
- 中庭から潜入するが、水門の構造上、入るには中庭のもう1つのエレベーターを起動する必要がある。即死トラップの大岩が転がるなど、油断はできない。
- 研究所
- 最終エリア。セキュリティシステムなど、より高度な謎解きがプレイヤーに降りかかる。どこかでプレイヤーとして選択しなかった主人公が監禁されており、ある方法で救助する。救助しなくてもクリアできるが、その際エンディングが若干異なる。
ディレクターズカット
『2』の開発が最初からやり直しになったため、1997年に新たな要素を加えてプレイステーションで開発された。DISC2には『2』の体験版が収録されている。変更点は以下の通り。
- モードの追加
- オリジナル版を収録した「オリジナルモード」とさらに弾丸の数が倍になった「ビギナーモード」、アイテム配置などを変更して難易度が格段に上がった「アレンジモード」、そして弾丸の数が倍になったアレンジモード(通称「イージーアレンジモード」)の4種がある。以下アレンジモードでの変更点について述べる。
- コスチュームの変化
- クリス・ジル・レベッカの初期コスチュームがアレンジ版、オリジナルの物になっている。
- 敵配置・アイテム配置の変更
- 敵の数は格段に増えており、本来敵が登場しない部屋に敵が登場する。またアイテムの位置も変更されており、行く必要のある部屋が増えている(逆にオリジナル版では行かなければいけない部屋に行かなくてもよくなっている)。
- カメラワークの変更
- 多くのマップにおいて、カメラの位置が異なっている。
- 足の速いゾンビの出現
- 従来のゾンビよりも足が速いゾンビが登場する。また、館の地下厨房に登場するこのタイプのゾンビはかなり強く、ショットガンで頭を吹き飛ばせない上にコルトパイソンを使っても3発の弾丸が必要である。これはディレクターの三上真司が強くするように頼んだとのこと。
- ハンドガンの性能向上
- オリジナルでは「ベレッタM92FSオートマチック」だが、アレンジではカスタムされた「ベレッタM92FSオートマチック ワン・オブ・サウザンド」となっている。外観が変化しており、時々クリティカルが出るようになっている。クリティカルが出るとゾンビは頭部が弾けて一撃で死亡する。
- ベストエンディングで手に入るアイテムが変わった
- オリジナル版ではクローゼットの鍵が手に入ったが、アレンジモードでは「無限コルトパイソン」が手に入る。そのためアレンジモードでは鎧の鍵だけでクローゼットに入ることができる。
- クローゼットの内装が変更
- 部屋の構造、ドアの位置が変更されている。
- エンディングが変更された
- オリジナル版では無限ロケットランチャーを持ったデータで仲間を一人以上助けてクリアすればエンディングが残虐シーンの連続になるという通称「残虐エンディング」があったが、ディレクターズカットではモードにかかわらず見られなくなった。また、オリジナル版のオープングとエンディングで演奏される渕上史貴のボーカル曲「氷のまなざし」と「夢で終わらせない…」が流れなくなった(SS版と同様のBGMが流れる)。
- キャラクター選択の難易度表示がない
- これは両方とも難しいからだとのこと。
デュアルショックver.
1998年に発売されたデュアルショック対応版。BGMを一新。BGMは佐村河内守が担当。
『バイオハザード』の日本語吹き替え版オープニングとエンディング、『バイオハザード1.5』(お蔵入りになった開発途中の『バイオハザード2』)の動画、及び、『バイオハザード』、『バイオハザード ディレクターズカット』、『バイオハザード2』、『バイオハザード2 デュアルショックver.』の、最初から強力な武器を持ったセーブデータ等を収録した「コンプリートディスク」が付属している。
『バイオハザード ディレクターズカット』用のセーブデータはデュアルショックver.での動作は保障されていないが、使うことはできる。
biohazard(ニンテンドーゲームキューブ、Wii版)
2002年にグラフィックなどを大幅にリメイクされたニンテンドーゲームキューブ版が発売。2008年12月25日にはWii移植版が発売された。タイトルは「biohazard」と小文字表記になり、以降『バイオハザード4』までナンバリングタイトルは小文字表記が続く。ハードの性能の向上によりグラフィックが格段に向上した他、新しい敵や探索すべき場所の増加、数々の変更点などもあり、PS版とは別ものともいえる作品となった。アートディレクターは片貝直紀。『バイオハザード4』までロゴの担当もしている。
なお、オリジナルとリメイクを通しての設定としては、「洋館事件」からの生存者はクリス、ジル、バリー、レベッカ、ブラッドの5名であるが、このリメイク版でも5人全員が脱出するEDは用意されてはおらず、ベストEDでもオリジナル版同様にバリー或いはレベッカが欠けたEDのままである。
『バイオハザード0』と同様に、GC版ではディスク2枚組の供給であったが、Wii版では1枚に納まっている。
ちなみにGC版ではCEROの年齢区分マークが表示されていなかったが、Wii版でD区分(17歳以上対象)であることが明らかになった。
オリジナル版との違いは以下の通り(これ以外にも様々な変更点がある)。
- グラフィックが異なる
- オリジナル版では全体的に明るかったがリメイク版では光源処理が施され、より暗くなっている。発売当時、圧倒的なグラフィックは話題になった。
- キャラクターのコスチューム・容姿が異なる
- 変更点は多数あるのだが、レベッカのバンダナが無くなった、バリーが髭を剃ってすっきりした顔になった等がある。
- マップが異なる
- 洋館が3階建てになったこと、中庭の追加、寄宿舎内部の水槽が2階建てになったことが挙げられる。
- 謎解きや罠についての変更
- 4つのクレストを使用する場所が変わったり、虎の像にはめ込む宝石の色が変わったりと、オリジナル版をプレイした人が引っかかりやすいように変更されている。
- ストーリーの変更
- 大きな変更は無いが、キャラクターが死亡する場所が違ったり、ストーリー分岐点の変更等がされている。
- 新しい敵の登場
- ゾンビを普通に倒すと、クリムゾン・ヘッドとして復活してくる他に、倒すことの出来ない敵としてリサ・トレヴァーが登場する。
- ディフェンスアイテムの登場
- ダガーナイフや閃光手榴弾、スタンガンが登場する。
- 新たな武器の登場
- 護身用拳銃やバリーの44マグナム、アサルトショットガンなどが使える。
- 隠しコスチュームが一新
- クリス・ジル共に二種類の隠しコスチュームが用意されている。その内一つは過去作のコスチュームになっている(ジルのコスチュームはバイオハザード3でのコスチュームに、クリスのコスチュームはコードベロニカでのコスチュームになっている)。またクリスがコスチュームチェンジするとレベッカもコスチュームがカウガール衣装になる。
- ムービーのCG化
- オリジナル版では実写ムービーを使用していたが、佐藤嗣麻子監督によるオープニングムービー等、CG化されている。
- プレイヤーが死んだ際に表示される文字が変わった
- オリジナル版でプレイヤーが死んだときに「YOU DIED」と表示されたがGC版では「You Are Dead」になった。この作品からこの文字に統一された。(一部の作品除く)
隠し難易度
クリア後の特典としてさらに高難易度のプレイが追加される。
- 爆弾ゾンビ
- クリス、ジル共にノーマルでクリアし、2週目をプレイすると洋館内に体中に爆弾を巻きつけたゾンビ(正体はゾンビ化したフォレスト)が出現する。
- この爆弾ゾンビに攻撃を仕掛けると、爆発し即ゲームオーバーになる。(ちなみにナイフでも爆発する)
- その為、出現したら逃げるしか方法がない。このゾンビはクリムゾンヘッド並みの速さで走り、プレイヤーが違う部屋に移動しても追いかけてくる。
- リアルサバイバルモード
- 通常のモードとの違いとして、自動照準が働かない、難易度は強制的にHARD、アイテムBOX同士が繋がっていない、無限武器を使用できない。
- 細かい点を挙げれば、この難易度では、東の階段廊下(1F)と裏口への廊下をむすぶドアを何度でも通行できる。爆弾ゾンビが出現しない。
- なおこのモードはPS版のプロトタイプの仕様である。
- インビジブルモード
- 名前の通り、敵の姿が見えない(ただし、一部の場所や敵の種類によっては、敵の居場所を特定できる場合もある)。自動照準は働かず、無限武器も使用できない。しかし、難易度の選択やアイテムBOX同士の繋がりはある。
- 東の階段廊下(1F)のドアは通常と同じ。爆弾ゾンビは出現しない。クリアするとディレクターのメッセージと没ネタ画が開覧できる。
武器
- ナイフ
- 基本的にはオリジナルと変わらないが、クリスの方が刃渡りが長く威力が高い。ジルの方は構えが変化し、水平攻撃が独自の振りになっている。なお、オリジナル版では出来た「スタートキャンセル」は不可能になっている。ゾンビの頭に攻撃すると2倍のダメージが与えられる。
- ハンドガン
- ベレッタM92FS。「サムライエッジ」というバージョンで配備されている。隙が小さく反動が少ない為ヒットアンドアウェイ(一撃離脱)に向いている。ただし威力はオリジナル版に比べるとかなり低いため弾薬を消費しやすい上に敵と距離を取らないと攻撃される危険が高い。なお本作ではクリティカルヒットの発生条件が従来と異なる。また、タイミングよくボタンを連打すれば後述のサムライエッジ バリーバージョンのように連射することも可能。
- ショットガン
- ウインチェスターM1897。至近距離の威力は高い。但しオリジナル版と比べて少し反動が増したため、注意が必要。ゾンビの頭に向けて撃ち込めば一定確率で頭部を破壊出来る。
- アサルトショットガン
- ベネリM4(ただしポンプアクションをしている為、正確にはM4に似せたベネリM3[1])。初登場。通常のショットガンより威力が若干高く、装弾数が増加。分岐によっては入手できない武器である。リチャードが使っていた武器。
- グレネードランチャー
- ジル専用。3種の弾薬を使い分ける事が可能な武器。一発あたりの威力はショットガンよりも遥かに高い。また、オリジナル版と異なり、武器内に弾薬が残っていても他の弾薬に入れ替える事が出来る。但し放物線を描いて飛んでいくため扱いづらい。GC版では武器内の弾薬がいきなり最大(255発)になるバグが発見された。このバグは初回メモリーカード付属版のみ可能で、Wii版等では修正されている。フォレストが使っていた武器。
- 火炎放射器
- クリス専用。アンブレラ社製。ストーリー上必ず使うので、使用場所が限られており、射程も短い。わずか数秒で燃料切れする。余談であるがバリーは自作の火炎放射器を使用している(イベントシーンのみ)。
- マグナムリボルバー
- 銃身にウエイトが付けられている。弾薬が入手しづらいので、使う場所を考えないとすぐ弾切れになる。また、今回は敵のHPが上昇したのに比例し、威力も若干上がっている。だが、タイラント相手には少なくとも6発は撃ち込まなくてはならなくなっている。クリスはハンドガンがジルのもので扱いが不慣れなせいか、この銃の連射の速度がハンドガンより早いというバイオハザードの世界ではかなり珍しい設定になっている。
- 護身用拳銃
- レミントンデリンジャー。マグナムリボルバー並みの威力を持つ武器。ハンターも一撃で倒せる。但し、元々装弾数が2発と少なく、その上にすでに1発使用されているため、入手しても1発しか使えない。予備弾薬も手に入らないので使いどころは難しい上に、撃ってしまうと不用品となる。このような特徴を持つため、最速クリアの場合入手しない人も多い。
- バリーの44マグナム
- バリー御用達の武器。ジル編のみ入手可。タイラントを一撃で倒せるほど威力が高い上に扱いやすい。但し予備弾薬が無いので、6発撃ち尽くした後は使い捨てとなる。入手する経緯でバリーが死亡してしまう為、この武器を手に入れるとベストエンディングルートにいけなくなる。
- ロケットランチャーA
- オリジナル版と同じUS M202A1。スーパータイラントとの決戦の時にブラッドがヘリから投下してくれる。旧式だが威力は最高。弾は4発。
- ロケットランチャーB
- 隠し武器。個人携帯用ロケットランチャー。35mmロケット弾を使用するタイプで、反動が小さいため連射が可能で上下にも撃つことができる。
- サムライエッジ バリーバージョン
- 隠し武器。バリー仕様のサムライエッジ。3点バースト機構を備えている。40S&W弾を使用する為ジル仕様に比べて威力は高い上敵も貫通する。
- ダガーナイフ
- ゾンビの噛み付きや即死系のつかみ攻撃を受けた時に使用できるディフェンスアイテム。基本的に自動使用だがオプションで任意に使用するか決められる。使用するとナイフを敵に刺し、敵の体力の半分ほどのダメージを与える(スーパータイラントは怯むのみ)。またゾンビのみ刺した状態で頭部を破壊するとナイフが地面に落ち、使い回すことができる。
- 閃光手榴弾
- クリス専用ディフェンスアイテム。クリーチャーの口に仕掛けたのち、数秒後に爆発して即死させる(スーパータイラントは足元に投げるので怯むのみ)。爆風にも攻撃判定がある為、自キャラが近くにいるとダメージを受ける。
- スタンガン
- ジル専用ディフェンスアイテム。高圧電流のスタンガンで大ダメージを与える(スーパータイラントは怯むのみ)。使用するにはバッテリーパックが必要(スタンガン自体は最初から所持)。
新クリーチャー
- クリムゾン・ヘッド
- 「V-ACT」と呼ばれるT-ウイルスの変種体によって、致命傷を負ったゾンビの体組織が変化し蘇ったクリーチャー。体色が赤く変化し、ゾンビとは比べ物にならないほど動作が俊敏になっている。胃酸攻撃は無くなったが、鋭い爪で襲いかかる。クリムゾン・ヘッドの発生を防ぐ方法として、ゾンビを倒す際に「ショットガンなどで頭や足などの部位を破壊する」「火炎弾を装備したグレネードランチャーを使用する」「通常攻撃で倒した後に、火炎弾を死体に撃ち込むか、各所に置かれている灯油とライターを使って焼却する」などがある。ただし、灯油で焼却する場合、これを使用可能とする判定範囲が狭く、慣れていないと時間がかかることがある。また、灯油や火炎弾の量には限りがあるため、すべてのゾンビを処理することは難しく、「いつ、どこで、どのゾンビに対して行うのか。またはゾンビを倒さず逃げるか」などの戦略も重要となる。なお、複数のゾンビの死体が重なった状態であれば、一度の焼却動作で全てのゾンビを焼却することができる。
- クリムゾン・ヘッド・プロト1
- 人為的に作られたプロトタイプのクリムゾン・ヘッド。あまりの凶暴性の高さに危険視され墓場の地下室に閉じ込められていた。通常のクリムゾン・ヘッドに比べ体力と攻撃力が高く、武器による部位破壊が不可能になっている(クリスの閃光手榴弾のみ例外)。体力はランダムで決まるがその幅が大きく、簡単に倒せる場合もある。
- リサ・トレヴァー
- 洋館を設計したジョージ・トレヴァーの娘が、始祖ウイルスを投与された成れの果て。30年もの長期に渡ってウイルスの実験を受けており、凄まじい生命力を持つ。母親を求めてひたすら館をさまよっている。マグナムリボルバー3発分の弾薬を当てれば一時的にダウンするが、どんなにダメージを与えても数秒後に復活する。一度目と二度目の遭遇時には倒すことができない(ただし、出現場所はある程度限られている)。三度目の登場時、ある方法で倒すことができるがこれで死んだわけではなく、結末は『アンブレラクロニクルズ』で明らかになる。
バイオハザード Deadly Silence
2006年1月19日にニンテンドーDS版『バイオハザード Deadly Silence』(バイオハザード デッドリーサイレンス)が発売された。プロデューサー、ディレクターは中井実が担当。PS版の操作性を向上させたCLASSIC MODE(クラシックモード)と敵の出現バランスを変更し、DSの性能を活かしたREBIRTH MODE(リバースモード)の2つが収録されている。
実写ムービーも復刻されたが、オープニングでの変更点として
- 冒頭でクリスが事件の解説をしている時に写される映像が死体から新聞の記事に変更されている。
- ジョセフが拾ったエドワードの手首が、完全に千切れているか分らない(断面が見えない)。
- ジョセフがケルベロスに襲われるシーンで、ジョセフが一方的に殺される。
- ジョセフが襲われるシーンが訂正されている(悲鳴とケルベロスの顔だけ)。
- ジョセフの死体が写らない。
- ケルベロスにS.T.A.R.S.隊員が攻撃するシーンで、被弾したケルベロスが写らない。
- クリスの紹介で煙草に火をつけるシーンから、オープニングの映像をまじえたものに変更されている。
いずれも、実写による極度の残虐描写や教育に悪いものを控えたものとされる。
REBIRTH MODEの変更点は以下の通り。
- ナイフバトルの追加
- あるドアを通ると、ナイフバトルが発生するところがある。その際、タッチパネルが『ガンサバイバーシリーズ』のような主観視点の画面になる。タッチペンでナイフを動かし、ゾンビを切る事で攻撃できる。また、ゾンビが胃液を吐き出してきたときはマイクに息を吹く事により回避できる。ノーダメージで全滅させるとアイテムが手に入る。
- 敵やアイテムの配置の変更
- 敵キャラクターの配置が大幅に変更されており、本来館に登場しなかったキメラが登場したり、食堂やホールに敵が登場するようになっている。なお、キメラの体力は大幅に増加している。また最後の書(上)の位置が寄宿舎に移されており、寄宿舎に2回行かなければならなくなった。その他ファイルの数も増えている。また、ジル編でも火炎放射器が使用可能になった。
- 隠しコスチュームの増加
-
- 従来の隠しコスチュームに加え、クリス・ジルに一着ずつ、新しいコスチュームが用意されている。またレベッカのコスチュームも追加された。
CLASSIC MODE、REBIRTH MODE共通の変更点は以下の通り。
- 難易度表示の変更
- ジル編の難易度表示がeasyからnormalに変更されている。
- ロード時間の短縮
- 媒体がディスクではないため、データロードが早くなっている。これによりドアを開けるシーンや一部のムービーがスキップできるようになった。
- 一部の武器の名前が変更
- ベレッタ、コルトパイソンの名称が「ハンドガン」「マグナムリボルバー」に変更された。なお、ハンドガンでゾンビに攻撃すると低確率で頭部破壊を起こすクリティカルが発生するように設定されている。
- 操作性の向上
-
- ナイフは標準装備になり、Lボタンを押せばいつでも使えるようになった。
- 武器を構えている時にBボタンを押すとすぐにリロードされるようになった。
- クイックターンができるようになった。
- DSの上画面にマップ、体力、装備武器が常に表示される。
- 血の色の選択
-
- 血の色を赤と緑から選択できるようになった。
追加モードは以下の通り。
- 通信プレイ
- 人数分のソフト、本体を用意すると最大4人までの協力、対戦モードをプレイすることができる。使用可能キャラはクリスとジル。条件を達成することで他のキャラも使えるようになる。
- MASTER OF KNIFING
- REBIRTH MODEクリア後に出現するミニゲーム。ナイフバトルで全5ステージを進んでいく。使用可能キャラはクリスとジル。
脚注・出典
- ↑ ベネリM4が供給されたのが1999年、試作品ですら1998年8月。リメイク版バイオハザードは1998年7月が舞台の為、M4はまだ存在しない。
テンプレート:ネタバレ終了
主なスタッフ
プレイステーション版
- システムプラン/カメラワークス:神谷英樹、加藤弘喜、門井一憲、小田晃嗣
- シナリオ:岩尾賢一
- イベントデザイナー:青山和弘、山田政明
- システム:安保康弘
- プレイヤー/エネミー:唐津麻勝俊、小林裕幸、萩山勇二
- バックグラウンドモデル:西川悟、白石哲也、松浪保之、鍋谷圭一
- キャラクターモデル/モーション:竹内潤、林里美
- キャラクターテクスチャー:石原雄二、下釜陵志、片桐秀朗
- サウンド・コンポジション/アレンジメント:友澤眞、海田明里、上田雅美
- サウンド・デザイン:山田一法、内海秀明
- ナレーター:Ward E. Sexton
- ゼネラルプロデューサー:藤原得郎
- プロデューサー:赤堀雅行
- ディレクター:三上真司
テーマソング
- オープニングテーマ曲「氷のまなざし」アーティスト:渕上史貴/作詞:渕上史貴/作曲:安川宙志
- エンディングテーマ曲「夢で終らせない」アーティスト:渕上史貴/作詞:渕上史貴/作曲:安川宙志
ニンテンドーゲームキューブ版
- プランナー:抱耕司、梶誠介、西河繁範
- モーションキャプチャー&ムービーコーディネーション:國生玲
- リードエンジニア:本塚秀成
- ステージCG・アートディレクター:片貝直紀
- ステージCG・アートイメージデザイナー:菅裕介
- ステージCG・リードデザイナー:川田将央
- キャラクター&クリーチャー・リードデザイナー:上田健一
- エネミーディレクション:山中雅貴
- VFXリードエンジニア:橋本祐介
- リードコンポーザー/アレンジャー:内山修作
- コンポーザー/アレンジャー:友澤眞、千本木操
- リードサウンドデザイナー:森敦史
- サウンドデザイナー:内海秀明、加藤祥人
- 3DCGI&リアルタイムイベントモーション・ディレクター:佐藤嗣麻子
- ガンアクションアドバイザー:今関謙一
- モーションキャプチャーアクションディレクター:松井哲哉
- プロデューサー:小林裕幸
- ディレクター:三上真司
外部リンク
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